動け!ジョー

テレビ・映画と、みなさまおなじみのジョーの映像世界。  
テレビ

あしたのジョー
昭和45年4月〜昭和46年9月フジテレビ系列で放映(全79話)
虫プロ製作
プロデューサー 富岡厚司
チーフディレクター 出崎統
作画監督 杉野照夫・金山明博・荒木伸吾
音楽 八木正生
出演
矢吹 丈・・・あおい輝彦
丹下 段平・・・藤岡重慶
力石 徹・・・仲村秀生
マンモス西・・・西尾徳
カーロス リべラ・・・広川太一郎
わたくしチェーン万次郎が梶原・ちば両氏の出会いに感謝するのと同時に、「あしたのジョー」と
チーフディレクター出崎 統
との出会いにも感謝を感じずにはいられない。

きっと出崎氏が演出していなければ、この作品は平凡なものに終わっていただろうと思うからである。
ジョーの初試合でリングに登る時、原作にないセリフ「なんかこう、まぶしいねえ」「わしもだよ、ジョー」。
わたくしこれを聞くとシビレます。

放映中に連載に追いついてしまったためカーロスとの試合が終わるとジョーは旅に出て物語は終わってしまう。
ドクター大井川・ハイエナ ヘンリーなどアニメのオリジナルキャラや、カーロスがジョーを力石の死から立ち直らせるのを
承知したうえで来日してる(視聴者に
わかりやすくするためか?)など原作と違う独特の展開も見せる。

あしたのジョー2
昭和55年10月〜昭和56年8月日本テレビ系列で放映(全47話)
東京ムービー新社制作
プロデューサー 高橋靖ニ・加藤俊三
演出  出崎統
作画監督  杉野照夫
音楽  荒木一郎
監修  梶原一騎・ちばてつや
出演
矢吹 丈・・・あおい輝彦
丹下 段平・・・藤岡重慶

白木葉子・・・田中エミ
林紀子・・・森脇恵
西寛一・・・だるま二郎
力石徹・・・仲村秀生
サチ・・・白石冬美
キノコ・・・堀殉子
ゴロマキ権藤・・・渡辺猛
青山・・・小宮山浩
カーロス・リベラ・・・中尾隆聖
ホセ・メンドーサ・・・宮村義人

わたくしはこれの本放送を幼いころ見て、あしたのジョーにはまってしまいました。旧作につづいて出崎演出が光る!最高!
ストーリーはジョーが力石の死後、その衝撃を振り切り(もちろん完全に振り切ってなかったのですが・・・)丹下ジムに帰ってこる
ところから(一話に描かれている帰ってくるまでの
過程がいいんですけど)はじまる。原作にないジョーとホセとの試合までの
交流が描かれていたり、旧作と同じくアニメ独特の展開もある。


映画

あしたのジョー(実写版)
昭和45年7月公開
監督  長谷部安春
脚本  馬場当

出演
矢吹 丈・・・石橋正次
丹下 段平・・・辰己柳太郎
力石 徹・・・亀石征一郎
昭和45年6月に「あしたのジョー」が新国劇で舞台化され、その流れで実写で映画化された。
内容はというとジョーと段平の出会いから力石の死までをほぼ原作どおり追いかける。なにせ90分そこそこのため展開が目まぐるしい。
原作がわかってないとわからないんじゃないかというほど。ウルフ戦・力石戦もあっという間に終わる。「えっ、こんなんでええの?」って感じ。
力石が過酷な減量をするが痩せてない等、つっこみだすときりがないが、少し広い心で見ると楽しめる。
私が一番期待していたのはブタにまたっがって脱走するシーン。ディズニーの実写版「101匹 わんちゃん」に先駆けること20数年前、実写での動物
大行進が見れるかと思っていたが、家畜小屋でブタを暴れさせてその場を撹乱するも、逃走は近くにあったトラックに乗って行われた。残念・・・。

  あしたのジョー(アニメ)
昭和55年3月公開
総指揮  梶原一騎
監修 ちばてつや
脚本・監督  福田陽一郎
チーフディレクター  出崎統
作画監督  杉野照夫・金山明博
音楽監督  鈴木邦彦

出演
矢吹 丈・・・あおい輝彦
丹下 段平・・・藤岡重慶
力石 徹・・・細川俊之
白木 葉子・・・檀ふみ
マンモス西・・・岸部シロー
解説者・・・梶原一騎(特別出演)
旧テレビシリーズを編集し、声・音楽を新録したもの。ジョーと段平との出会いから力石の死まで。
実写版に対して、よくあの濃厚なドラマを2時間30分に編集して、こんなに楽しめるものにしたものだと驚かざるをえない。
映像もさることながら、わたくしチェーンは音楽がお気に入りでございます。主題歌「あしたのジョー −美しき狼たち−」はじめBGMも最高。

あしたのジョー2(アニメ)
昭和56年7月公開
製作総指揮  梶原一騎
監修  ちばてつや
脚本・監督  出崎統
作画監督  杉野照夫
音楽監督  荒木一郎

出演
矢吹 丈・・・あおい輝彦
丹下 段平・・・藤岡重慶
力石 徹・・・細川俊之
白木 葉子・・・檀ふみ
マンモス西・・・岸部シロー
カーロス リべラ・・・ジョー山中
ホセ メンドーサ・・・岡田真澄
テレビシリーズの編集版ではなく同時進行で制作。
オープニングの映像・音楽最高!この時点でトリハダもの。豪華声優陣もいい。テレビシリーズにたいして演技力のある葉子と本格的大阪弁の西がいい(これは1の方にもいえることなんですけど)。とにかく1につづいて感動ものです。


その他

あしたのジョー パイロットフィルム
旧テレビシリーズの放映前制作されたパイロット版。LD・ビデオで見れる。
2パターンあって、ひとつは青山とのエピソードを中心に描かれている。絵がなんともしょぼい。
もうひとつはジョー・段平の出会いから力石とのプロのリングでの試合までをまとめている。BGMは「ジョーの子守り歌」のインスト(このころもうできてたんですなあ)。
旧アニメの一つ目のオープニング・エンディングで映像が使われている。

驚きももの木20世紀  「あしたのジョー」伝説
ここで取り上げるのもどうかと思うが・・。たぶん平成9年放映。司会 三宅裕司・麻木久仁子、ゲスト 尾藤イサオ・永作博美。
水と油ともいえるほど作風の違う梶原・ちば両氏がどのように「あしたのジョー」を生み出しラストを迎えるに至ったかを紹介 。
あの伝説のラストシーンがどのように生まれたのか(結構有名な話ですけど)を引用させていただきます。

梶原先生の書いた原作はこうだった。
『ジョーはホセに敗れる
うなだれたジョーに段平が言っていた
お前は試合には負けたが、ケンカには勝ったんだ。』
これにちば先生はキレた。「ここまでやってきてケンカに勝ったはないじゃないか。」
ちば先生は電話で言った。「ラスト変えますよ」  梶原先生はそっけなく言った。「ああ任せるよ」
週に8本の連載をかかえていた梶原先生は、以前のようにちば先生と話し合う時間も気力も失っていた。
しかしちば先生もそれに代わるラストシーンを考えていたわけではなかった。スタッフとも話し合い、ちょうど20通り考えた。
単行本の1巻から読み返していた若い担当編集者がジョーが紀ちゃんになぜボクシングをつづけるのかを語ったシーンを指し示した。
「ほんの瞬間にせよ まぶしいほどまっかに燃え上がるんだ。そして、あとには真っ白な灰だけがのこる。
燃えかすなんかのこりやしない。真っ白な灰だけだ。」
「これだ!」ちば先生はひらめく。生の燃焼・・・。こうしてあのラストシーンは生み出された。

番組の最後にちば先生は語る。
「時々ジョーを描いてくれ、力石を描いてくれっていわれて描きますけども、自分では一生懸命その野生的なジョーの目を描いている
つもりなんですけども前の絵と比べると、普通の人は気が付きませんけど僕が見ててやっぱり違うんですね。
当時は20いくつか30ぐらいですか。僕も若かったですからそういう野生的な、こう、本能・野生に目覚めた男の話を若さで描けたのかも
しれませんけど今ちょっと自信がないっていうことですね。ジョーのつづきを描けって・・・いやあ、あのまんまにしておきたい、
そういう気持ちですね。」



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